リーマン?ショック以降、低迷していたマンション市場に回復の兆しが見えてきた。首都圏の3月の発売戸数は9年3カ月ぶりに伸び率が50%を超え、2010年度の発売戸数もプラスに転じる見込みだ。在庫調整が一巡したほか、利便性の高い都心部のマンションに人気が集まっている。ただ、所得や雇用不安が払拭(ふっしょく)されないなか、マンション販売が本格的な回復軌道に乗るかは不透明だ。
建設中の「東京スカイツリー」を北にのぞむ東京都墨田区の一画。週末の今月3日、野村不動産と伊藤忠都市開発が共同開発する新築分譲マンション「オアシティ錦糸町」のモデルルームは朝から人の波でごった返した。
すでに第1期1次分(110戸)は完売し、この日、登録の締め切りだった2次分(25戸)を申し込む人が詰めかけたからだ。JR錦糸町駅から徒歩6分、全戸南向きという同物件は、結局、2次分も最高倍率6倍という人気を集め即日完売した。
野村不動産が東京都豊島区で建設中の「プラウドシティ池袋本町」も3月、第1期325戸と急遽(きゅうきょ)追加した分(76戸)が即日完売。同社の山本成幸執行役員は「駅から近い立地などが評価されたが、ここまでの反響は想像していなかった」と、好調な売れ行きに驚きを隠さない。
◆戸数?契約率とも好調
不動産経済研究所によると、3月の首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)のマンション発売戸数は前年同月比54.2%増の3685戸。伸び率が50%超となるのは00年12月(59.5%増)以来、実に9年3カ月ぶり。実際に売れた割合を示す契約率も82.8%と3年ぶりに80%を超えた。都心部を中心に29物件896戸が即日完売するなど、新規物件が好調だった。
首都圏は昨年5月頃から販売の好不調の目安となる契約率が70%前後で推移。景気低迷で供給を絞ってきた業者の在庫調整が一段落したこともあり、ここにきて「実際住むためのマンション購入を検討していた人の動きが活発になった」(大手不動産会社)ようだ。
不動産経済研究所は10年度の首都圏マンション発売戸数を、4万4000?4万5000戸と5年ぶりにプラスに転じると予測。景気が上向いてきたことや、住宅ローン減税といった政策がマンション購入を後押しする。
それでも、同研究所の福田秋生企画調査部長は「首都圏だけで8万?9万戸も売れる時代には戻らない。市場としては5万?6万戸が妥当で、そこまで回復するのに数年かかるだろう」と分析。業界内ではマンション市場の本格的な回復は道半ばとの見方が多い。
最大の理由は価格だ。バブル崩壊後の地価下落で、90年代から00年代初めまでマンション価格はほぼ一貫して下落してきた。だが、その後の景気拡大局面で再び上昇に転じる。09年の首都圏の1戸あたりの平均価格は前年比5.0%減の4535万円と7年ぶりに低下したが、それでも直近の安値である02年に比べると13%高い水準だ。
◆23区外、近畿は“冬”
結果として、現在のマンション市場の回復は、高価格帯でも一定の需要が見込める都心部の物件に依存している。
実際、09年度の首都圏の発売戸数は前年度比6.0%減の3万7765戸だったが、東京23区に限れば15.8%増と逆に増えている。これに対し都下は3.5%減、神奈川県は29.7%減、千葉県も30.9%減と、軒並み大幅に減少した。近畿圏に至っては09年度の発売戸数が前年度比12.4%減の1万9094戸と、2年連続の2けた減。3月も前年同月比28.6%減の1684戸と低調なままだ。
みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリストは「株価の回復の遅れから、富裕層を中心とした投資物件の動きは鈍い。雇用や所得環境は依然として厳しく、政局や景気の先行き不透明感が強まれば、マンション市場の回復が短命に終わる可能性もある」と指摘している。(大柳聡庸)
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